世界のいいPV その122 : Toto Bissainthe (ハイチ)

ブードゥー音楽やハイチ俗謡の現代的なアレンジで知られる、有名な歌手にして女優のトートさん。


■ Toto Bissainthe - Papa Loko




ちょっと前までTVショーの映像があったのですが、削除されてて実に残念。

流石は「アフリカ以上のアフリカ」と呼ばれるハイチのうた。
ひとつひとつの発声に、固有の風土感と、豊かな肌触りがあります。

声色の端々にさまざまな倍音が宿り、刻々表情を違え、まるで聞き飽きることがない。
木材や皮革における無限の風合いの変調を、聴覚で追っていくよな感じ。

雑味というかノイズというか、あるいは濁りであったり掠れであったりと、音程・音量以外の音響的変数の意味が、耳の実践的な性愛術として、まざまざと思い知らされるというべきでしょうか。

ただただ、気持ち良さのヴァリエーション
それをご堪能ください。

ノボス・ナニワーノス 横浜公演のお知らせ

ドラマーの脱退以降エレキ編成の練習がままならず、なかば開店休業状態のまま一年が経過したノボス・ナニワーノス

サポーターのピカリがヘルプ可能なあいだに、何かカタチに残そうと一念発起。
以前から妙に相性のいい街“横浜”で再スタート切らせてもらいまっせ!

しかも、今回の会場は老舗の商店街とか。
しかしここメッチャ、オモロそう!

六角橋商店街
http://www.rokkakubashi.jp/

「ナニワの絶品B級グルメ」と呼ばれる我々にはうってつけの舞台!
ハマのダチ公、待っとっておくれやっしゃ~!


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【急報】NOVOS NANIWANOS の Twitter より

ハマ震撼!日本の外国”Cidade OSAKA”よりノボス・ナニワーノス3年ぶりの来日決定!
7月21日(土)横浜市六角橋商店街「ヤミ市」20:00開演。おいなはれ!
※ 6/9(土)21時よりテレビ東京「アド街ック天国」で、ヤミ市の風景やお店が紹介されます(関東のみ)


■ 史跡難波宮跡でジャンプする三年前のノボス・ナニワーノス

ケンイチ 140

世界のいいPV その121 : Skah-Shah #1 (ハイチ)

とにもかくにも、20世紀音楽の七不思議の一といっていい SKAH-SHAH #1 による畢生の傑作“Message"。

ハイチ人(あるいはアフリカ人)の生活感覚がウン百年いやウン千年かけ発酵した、曰く言いがたい音楽的快楽。
そのエッセンス部分が北米でジャジーな解析を受け、現代的な明晰さを獲得。

ハイチ音楽における楽譜にしえない訛りが、エレキな点描の明滅で描出しつくされたかのようなこの異様な豊饒さは、単なるスコア化されたオーケストレーションには望むべくもない、自由と秩序の善き相克がある。

それはまさに、理想社会のメタファーであり、メンバー全員があらぬ方角をうち眺めアクションしながらも、結果どうしようもなくハイチのグループとしてのまとまりを漂わせる、彼らのジャケ写そのものなのだ。

ゼヒ可能な限りの大音量で、三本のギターとエレピと太鼓群が織りなす、千変万化のポリリズム絵巻に芸術の不思議を思い知られたい。

この圧倒的な情報量のアンサンブルのどこまでがキメで、どこからがアドリブなのか。
未知の美の瞬間がフラクタルに移ろい、贅沢なほどに蕩尽しつくす音像は、なにかヤカンの注ぎ口の湯気を眺めるかのような感覚。

つまりは、限りなく自然現象に肉薄した、これは人造物の極致だというわけです。

そういうわけで、スカ・シャーのディスコグラフィーにおいても、一種異様な奇形的濃度を誇る“Message"ですが、やはりそのバンドサウンドも前段階的に、土俗的な容器の中で一定の発酵期を経ている模様です。
その一枚がこれ“Synthèse Musicale"。


■ Pipirite - Skah Shah




何が何だか、何でこうだか、全然わからん・・・
本当の芸術は、かくも不可能なのであります。

世界のいいPV その120 : Skah-Shah #1 (ハイチ)

普段「何でも聴くぞ」といいながら、やはり贔屓筋はありまして、「カテゴリ」として当サイト右下に並んだ国名一覧などは、わりとその感じが出てるかもしれません。

で、これで行くと堂々、世界2位がハイチ
そうなんです、ハイチ音楽て、滅茶苦茶に素晴らしいんです!

ハイチ共和国は、フランスの旧植民地であり、かつ中米初の黒人による独立国。
そのゆえ取り澄ましたおフランス・センスとドロドロのブードゥー・テイストが水と油のまま共存する、固有の音楽文化を生み出したのであります。

細かく言えば色んな音楽様式があるようですが、まず特筆すべきはシャンソン・クレオールの圧倒的な、遅さの美学
グルーブがボタボタほどけ落ちそうな過激なまでのロー・テンポぶりと、カリブの腐りかけのフルーツを思わすアルトサックスのエグ甘さ

さらにこの系譜上にある古いコンパのモッサリ感は、まさに重たいメレンゲをボールの底からかき回すかのようで、その絶妙なモタリ感覚はまことにクセになります。
ドミニカやマルチニクといった周辺国のビート感覚が、スッキリとストレート・アヘッドなヨツウチであるのに対して、ハイチのそれは断然鈍くさい2ビートである。

そして、この二個一の布石のはざまには、ゆるく撓んだポリリズムのハンモックが渡されている。
その後ろ髪ひかれるビートのモドリ感、発酵性の臭み、エグ味こそが、ハイチのとりわけコンパな快楽の定型的様式美なのであります。

ウゥッツ・ドーンッツ・ウゥッツ・ドーンッツ・ウゥッツ・ドーンッツ・ウゥッツ・ドーンッツ・ウゥッツ・ドーンッツの無限連鎖。

これぞハイチ音楽なのです。

そこで今回は、ハイチの代表的ポピュラーミュージックである、コンパ・ミュージックの帝王のご紹介。

スカシャー・ナンバーワン・・・・

災厄の国ハイチは、今日もなお多数の米国移民を生み出しているようですが、このハイチ最高のオーケストラもニューヨークへの移住組。
しかしかの地における近代的研鑽により、ゆるく撓んだヘイシャン・グルーブの蜘蛛の巣を、ジャジーでファンキーで、複雑怪奇なポリリズムのタペストリーとして織り上げたのであります。

まあ聞いてください。
二十世紀のポピュラー音楽史に残る、問題作だと思います。


■ Skah Shah # 1 - Manman 1978




本作「message」は、我がオールタイムのフェイバリット・アルバムの五指には入る超傑作。
皆様も機会があれば是非。

世界のいいPV その119 : Boukman Eksperyans (ハイチ)

これまで私が体験したライブのベストアクトといえば、96年のブークマン・エクスペリアンスの来日公演でありんす。


■ Boukman Eksperyans - Kalfou Danjere




かつてハイチ建国の礎石となった「ハイチ革命」の扇動者の名を戴き、90年代初頭の軍事政権下で抗議の活動を続けたプロテストバンド。
ブードゥーのリズムを核に据えたその新しいロック(ミジック・ラシーヌ)は、当時のワールド・ファンの間でも話題となっておりました。

実はこの動画、わが私蔵ビデオの一本にも収録されており、そのバイオによればこれはおそらく92年頃の作。
まさに軍政まっただの時期であり、この動画自体が音楽プロモーションという以上に、掛け値なしの政治行為であったことでしょう。

そして、その4年後の96年。
民選大統領のアリスティド政権も成り、政治活動も一息ついての世界ツアー、そしてまさかの来日公演が実現。

まあ、他国民の生を賭した政治活動に安っぽい共感を寄せるなんて意味無いですが、そういうのを別にしてもあのライブは凄かった。

地べたに座り込んだ革張り太鼓の三人組が、ほとんど陶芸家然とした居住まいであくなきハチロク・ポリリズムを滔滔と送り出すをバックに、後ろ髪ひくようなバクシーヌ系ベースが緊迫感を煽り、巨漢ロロさんの熱い歌唱と、ご婦人コーラスのドロドロブードゥー舞い踊り・・・

とにもかくにも素晴らしく狂おしく、警備員の目を盗んで私はステージによじ登り、踊り狂ってしまったほどでした。
また当日は河内長野ラブリーホールのはからいで、ライブとともに「ブードゥー・ダンスのワークショップ」が同時開催。
イベント終了後にはリーダー・ロロ氏から、サインとともに「心を強く」とのメッセージもいただき、細胞のひとつひとつがカーッと覚醒しているような、激しくも温かい氏のオーラにすっかりとあてられた一夜でした。

たとえわずかな時間でも、こういう傑出した人との出会いが、(冴えないながらも)今この自分を形づくっている。
人との出会いというものは、本当に貴重なものだと思います。